(商品の)立体商標の登録は難しい・続

新しいデザインが需要を喚起する、という立場から考えると、商標に於ける使用に基づき獲得される識別力は、需要に対する阻害要因として機能することがあると言えます。つまり、商品がその使用者を示す商標として認められるということは、商品が見慣れたものとなり──飽きられるようになった、ということです。

問題は、たいていの場合、飽きられた商品は買って貰えない、ということです。買って貰えないということは市場を形成しないということで、そのような商品を保護するメリット、すなわち商標登録の理由もなくなってしまいます。

一方、商標登録を受ける際に、商標の識別力がその使用に基づき獲得されたと認められるためには、出願に係る商標と実際に使用される商標との間に厳密な同一性が必要とされます。しかし、立体商標においては商品の外観の変化はそのまま商標の変化となってしまい、この同一性が損なわれてしまうのです。

これが商品と一体化した立体商標の登録が難しい一因です。自動車やバイクは数ある商品の中でも特に流行に左右されやすいもので、定期的にモデルチェンジが行われていますが、商標の立場からいえば、これはせっかく積み上げた信頼を自ら放棄しているということになるのです。

今回の「スーパーカブ」の登録は、商品が流行に左右されにくい業務用の車両であることが奏功したと言えるでしょう。

Posted by on 2014年5月28日 in 商標

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