ああ無情

特許の中間処理(拒絶理由等・拒絶査定に対する応答)においては、補正で加えた限定が、意見書や審判請求書で苦心して謳った作用効果を顧みられず「微差、設計事項」としてあっさり退けられることがある。

根拠となる事実(引用文献)が明確な状態で新規性・進歩性欠如が唱えられた場合は十分反論の余地があるところ、上述したような認定に対する反論は容易ではない。積極否認の立証になるからである。

言い換えれば、この認定が飛び出すということは「議論はここまで」との打ち切り宣告がなされたということであって、反論の筋を変えない限り相手は聞く耳を持たない、と考えたほうが早い。

商標におけるこの種の「打ち切り宣告」の一つに判例・平成12年(行ケ)第76号がある。すなわち「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」。

というのも、昨今の商標の識別力の有無の判断においては、主に職権調査による「(商標に係る語(表示態様)の)使用実績がない」との認定が決定打となることがあり、特に複数の語の結合からなる(記述風)商標の肯定的な認定に有効となっているからである。そこに上記判例がご託宣として暴発するのだからたまらない。

上記判例、実際には一定の調査がなされた上で持ち出されている判断基準ではあるけれども、商標の場合は客体に補正ができない(要旨変更)など反論の余地は少なく、出くわしたときの理不尽さは特許の場合とは比べものにならないのではあるまいか。

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