五輪エンブレムの登録コスト

五輪エンブレム問題は、対象標章(エンブレム)の使用中止、白紙撤回ということで一応の決着を見ました。

ところで新たな標章を決定する場合において、前回の審査経緯に対する疑念からこれを公募で行うべしという声があります。

これはもっともな理由であると思うのですが、実際に審査を公開で行うとすれば、第三者の使用等を防ぐために公募段階で候補作品を全て商標登録する必要があります。たとえ採用されなくても候補になったという事実が公開される限り、当該候補作品は五輪と関連するとの印象を与えるわけですから、冒用を防ぐために登録は不可欠でしょう。

なお、剽窃出願については審査段階での情報提供・異議申立等々の排除手段の適用(4条1項7項等)も考慮されますが、確実性が担保されないと考えます。

商標登録に要するコストを単純計算すると、以下のようになりました(本来は全世界を対象としますが、先願権確保の観点から日本国内のみを対象としました)。

標章の性質上、全区分の指定商品・指定役務について権利を取得する必要がありますから、これらについて商標登録を受けようとする場合、一件当り、出願料は(¥3,400+¥8,600×45(区分数))=¥390,400、登録料は¥37,600×45(区分数)=¥1,692,000で、合計¥2,082,400となります。

ちなみに前回の標章の審査における応募件数は104件だったので、全てについて登録を行った場合の総額は¥2,082,400(出願料・登録料)×104(件数)=¥216,569,600となります。

なお、上記の計算は特許庁に納付する料金のみであって、既存の登録商標・商標等とバッティングしていないかどうかの調査費用及び実際に手続を行う代理人の費用は含みません。したがって実際の費用はこの数字よりも大きくなります。ご注意ください。

 

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