特許中間処理を支援するサービス提供のお知らせ

弊所では、特許出願をなされた方であって、特許庁からの拒絶理由通知への対応(中間処理)に苦慮している方を主な対象に、固定料金にて当該拒絶理由通知の内容を検討して対応コメントをお送りするサービスの提供を行っております。

本サービスにおける対応コメントの具体的な内容例は、新規性・進歩性欠如(特許法第29条第1項第3号・第2項)の場合、

(1)審査官の主張が妥当であるかどうかの判断
(2)妥当でない場合は意見書案の提示
(3)妥当である場合は特許請求の範囲の補正案(必ずしも補正後の請求項そのものではありません)及び意見書案の提示

であり、拒絶理由の解消に必要な一連の解法を提供いたします。

一方、検討の結果、拒絶理由が妥当であって、かつ、その出願内にて(分割出願等を行うことなく)解消できないと判断された場合は、その旨を理由とともにお送りいたします。

料金は、拒絶理由の内容(適用条文、引用文献数等)に関わらず一出願あたり¥30,000-(諸税等含まず、以下同様)となります。

なお、対応コメントの提供はpdfファイル等の電子ファイルにより行い、印刷物による提供は行いません。

本サービスに基づき作成された手続補正書・意見書により拒絶理由が速やかに解消され、皆様の出願の特許化の一助となることができれば幸いに存じます。

なお、本サービスの提供を踏まえた正式な中途受任も弊所規定料金(意見書¥60,000-、手続補正書¥40,000-、代理人受任に関する手数料は無料)にて承ります。

中間処理の低コスト化、更にはセカンドオピニオンとしての本サービスのご利用をお待ち申し上げます。

※本サービスは中間処理に必要な書類の方式的な作成手順を指南するものではございません。

※本サービスの対象となる対象となる拒絶理由は「拒絶査定」及び「拒絶査定不服審判」係属中における「拒絶理由通知」を含みません。

※技術分野によってはコンフリクトの発生その他の理由から本サービスを提供できない場合があります。

不思議なのはむしろ公転

月がいつも表のみを地球に対して見せている原因は公転とともに自転しているからであるところ、それを「自転していないため」と説明したテレビ番組があったそうで、ネットで話題になっている。

当該番組の内容は難詰されても仕方がないのだけれど、無理のないところもなくはない。というのも、上記原因の前提には「月が公転のみを行っていれば360°全周を地球に見せることになる」ところ、地上にて公転に類推されるであろう円運動(旋回)において、そのような現象はおおよそ見られないからである。

例えば、ハンマー投げにおいて月に模されるハンマーはワイヤーによって固定されているため、ハンマーはそれを回す者に対してワイヤーとの接続点のみを見せたまま、空間内にて自転する。

また、自力で移動可能な自動車、飛行機等の移動体の旋回運動の場合は、旋回に必要な状態を得るために当該移動体は旋回中心に対して旋回面内における姿勢を変化させなければならず(例:左旋回する自動車は旋回中心に対して常に左ドアを見せている)、この姿勢の変化が、空間内においては自転となって現れる。

上記地上の現象における「ワイヤーによるハンマーの固定」や「移動体の旋回面内における姿勢の変化」が、地球と月の間における所謂潮汐固定に相当する。しかしながら、上述した地上における旋回等の運動の主体であるハンマーや移動体が、月と同様の意味で「自転している」と捉える者は少ないであろう。

このように、日常生活において公転に類するとされる運動は必ず自転を伴っており、自転を伴わない公転こそがむしろ希な現象である。加えて、ハンマーの例のように、ハンマーはワイヤーによって「(公転の中心に対して)固定」されることにより「(公転する空間に対して)自転」しているといった一見パラドキシカルな表現が現れる(これはカッコ書きした座標の混乱に基づく)。これらのことが、上記の誤解が解消しない原因になっているのであろう。

なお、「自転を伴わない公転」に類する状態を地上にて現出するには、運動する側において回転に対して自由な状態を作り出せばよい。ハンマーにおいては、ワイヤーとの接続端を(回す軌道を含む平面内にて)回転自在に、移動体においては移動する本体部分と乗員等を積載するボディとを(旋回軌道を含む平面内にて)回転自在に固定する。これにより、ハンマーやボディは慣性によって旋回中心に対して静止した状態に置かれることとなる。

以上のように考えると、月の運動においては「公転とともに自転している」知識を天下り的に知っていることよりは、その基礎となる「円運動のみによっては自転、すなわち運動するもの自身の回転は生じない」ことを再確認することのほうが、(物理としては極めて初歩的なことなのだけれど、それ故に)よほど意味があるように思われる。

五輪エンブレムの登録コスト

五輪エンブレム問題は、対象標章(エンブレム)の使用中止、白紙撤回ということで一応の決着を見ました。

ところで新たな標章を決定する場合において、前回の審査経緯に対する疑念からこれを公募で行うべしという声があります。

これはもっともな理由であると思うのですが、実際に審査を公開で行うとすれば、第三者の使用等を防ぐために公募段階で候補作品を全て商標登録する必要があります。たとえ採用されなくても候補になったという事実が公開される限り、当該候補作品は五輪と関連するとの印象を与えるわけですから、冒用を防ぐために登録は不可欠でしょう。

なお、剽窃出願については審査段階での情報提供・異議申立等々の排除手段の適用(4条1項7項等)も考慮されますが、確実性が担保されないと考えます。

商標登録に要するコストを単純計算すると、以下のようになりました(本来は全世界を対象としますが、先願権確保の観点から日本国内のみを対象としました)。

標章の性質上、全区分の指定商品・指定役務について権利を取得する必要がありますから、これらについて商標登録を受けようとする場合、一件当り、出願料は(¥3,400+¥8,600×45(区分数))=¥390,400、登録料は¥37,600×45(区分数)=¥1,692,000で、合計¥2,082,400となります。

ちなみに前回の標章の審査における応募件数は104件だったので、全てについて登録を行った場合の総額は¥2,082,400(出願料・登録料)×104(件数)=¥216,569,600となります。

なお、上記の計算は特許庁に納付する料金のみであって、既存の登録商標・商標等とバッティングしていないかどうかの調査費用及び実際に手続を行う代理人の費用は含みません。したがって実際の費用はこの数字よりも大きくなります。ご注意ください。

 

肉を斬らせて骨は断てるか

五輪エンブレム問題について、現行エンブレム(以下「標章」と称す)の「原案」とされるものが、以下に報道される通り、公開されました。

五輪エンブレム原案公表 組織委、デザイン独創性強調(日本経済新聞2015年8月28日記事)

コンペ応募者が標章の創作段階において全世界の商標権・著作権を精査することは現実的ではなく、審査段階にて精選した一部の作品のみが対象として調査を受け、その結果、標章にある程度の修正がなされることは妥当と考えます。

今回の対応は、著作権侵害の回避及びそれにまつわる疑惑の解消が一義であるから、依拠性を否認する証拠として、成果物とその創作過程を提示すればよい、というものでしょう。一応の筋は通ってます。

となれば、反論の初期において現行標章に準拠し、さらにこれに基づく「コンセプト」を延々と説明したのは悪手だったでしょう。

え? じゃあエンブレムの「コンセプト」は原案にはなかったってこと?(「山形浩生の「経済のトリセツ」」2015年8月28日エントリー)

一例として上記ブログに指摘されるように、現行標章の外観上の特徴及びその「コンセプト」が創作段階には存在せず、侵害回避を契機に生じたことが明らかになったからには、創作の初期から採用・公開までの標章の同一性に疑義が生じてしまうからです。

これは、商標登録出願に喩えれば「補正による要旨変更」に他ならず、通常なら出願日繰り下げ扱いとなり、当初の先願権を喪失します。つまり補正は別個の商標を出願したのと同様の扱いとなるのです。

権利侵害回避を目的とするために当初のデザインの特徴が失われてしまったとあれば、創作の意義に照らして本末転倒の誹りは免れないでしょうし、また、初期の反論の意味は何であったのか、との疑問が生ずるのも仕方ないところだと思います。

ただ、ここで持ち出した「標章の同一性」なる基準が、五輪標章の採用基準にどのように関わっているかは知る由がありません。あくまで結果から判断するとして、問題は無い、ということなのでしょう。

傍目から見れば肉を切らせて骨を断つ、を地で行くと思える今回の対応、騒動を無事決着させることができるでしょうか。

エンブレムはアイデアではない

五輪エンブレム騒動については、内容はともかく既に多くが語られていますが、ようやく当事者筋からのコメントが出てきました。

五輪エンブレム当初案「劇場ロゴと似てない」 審査委員 (朝日新聞デジタル2015年8月26日記事)

これまで散見された議論と同様に、審査委員は今回の争点となった五輪エンブレムとベルギーの劇場のマークについて「現在の案では考え方も成り立ちも異なり、違うものといえる。」と説明しています。

また、上記の記事では「『似ているのではないか』という問題になると、多くの人の意識は、形に集中しやすい。今回、見る側とデザイン界の潮流のギャップが現れた」との記述もあります。

ところで、著作権法は創作的表現を保護し、商標法は知覚の客体(標章)に化体した信用を保護するとされます。今回の場合、表現・知覚の客体とは、視覚に訴えるもの、すなわち「(色彩も含めた)形」です。

そして、法による保護は、原則として、その「形」の創作の裏付けとされる論理付け、つまり説明を受けて論理的に了解される、抽象的な価値については感知しません。「考え方」や「成り立ち」は、あくまで外観として看取されなければ意味が無い、とされるのです。

この考えに基づけば、上記記事における見解は、「見る側とデザイン界の潮流のギャップ」のみならず、法の予期するところからも外れている、ということになります。

ただし、その外観の「似ている・似ていない」の判断については、著作権法・商標法それぞれに、恐らく一般の常識には馴染みにくいであろう独自の基準があります。それら基準に照らして、今回のエンブレムが権利侵害を構成すると直ちに決めつけることはできない、と言えるでしょう。

There is nothing new under the sun.

「この新発想が、どうして今までなかったんだろうという疑問がわいてきます!」

【衝撃的】傘が発明されてから3000年! 進化した次世代の傘が登場

逆さに折畳むことにより濡れた面を内側にしてすぼまる傘、目新しそうではあるけれど、しかし今までないはずがない、という常識が先に立つ。

少し調べたら、基本的なアイデアは、日本国内では例えば実開昭63-047715に出ている。

書いてる当人も本当に信じてはいるまい、この手の大袈裟で押しつけがましい言い回しはそろそろ止めにしていただきたい。

謹賀新年

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本年もどうぞよろしくお願い申し上げます
太田特許商標事務所

今日は「あかりの日」

というのだそうです。なんでもエジソンが白熱電球の実用化に成功した1879年10月21日にちなんで制定されたとのこと。

今時は一年中「今日は~の日」とやっているので、さほど気に止めていなかったつもりが、街中で配っていたのが以下のもの。

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広報・啓蒙活動の一環でしょうが、なんと現物の「あかり」を戴いてしまいました。

しかし電球ではなく電球型蛍光灯なのがいかにもという感じ。最近また話題になっているLEDとも併せて、抵抗熱による光源の時代が遠ざかろうととしていることを痛感させられます。

ああ無情

特許の中間処理(拒絶理由等・拒絶査定に対する応答)においては、補正で加えた限定が、意見書や審判請求書で苦心して謳った作用効果を顧みられず「微差、設計事項」としてあっさり退けられることがある。

根拠となる事実(引用文献)が明確な状態で新規性・進歩性欠如が唱えられた場合は十分反論の余地があるところ、上述したような認定に対する反論は容易ではない。積極否認の立証になるからである。

言い換えれば、この認定が飛び出すということは「議論はここまで」との打ち切り宣告がなされたということであって、反論の筋を変えない限り相手は聞く耳を持たない、と考えたほうが早い。

商標におけるこの種の「打ち切り宣告」の一つに判例・平成12年(行ケ)第76号がある。すなわち「商標法3条1項3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである」。

というのも、昨今の商標の識別力の有無の判断においては、主に職権調査による「(商標に係る語(表示態様)の)使用実績がない」との認定が決定打となることがあり、特に複数の語の結合からなる(記述風)商標の肯定的な認定に有効となっているからである。そこに上記判例がご託宣として暴発するのだからたまらない。

上記判例、実際には一定の調査がなされた上で持ち出されている判断基準ではあるけれども、商標の場合は客体に補正ができない(要旨変更)など反論の余地は少なく、出くわしたときの理不尽さは特許の場合とは比べものにならないのではあるまいか。

(商品の)立体商標の登録は難しい・続

新しいデザインが需要を喚起する、という立場から考えると、商標に於ける使用に基づき獲得される識別力は、需要に対する阻害要因として機能することがあると言えます。つまり、商品がその使用者を示す商標として認められるということは、商品が見慣れたものとなり──飽きられるようになった、ということです。

問題は、たいていの場合、飽きられた商品は買って貰えない、ということです。買って貰えないということは市場を形成しないということで、そのような商品を保護するメリット、すなわち商標登録の理由もなくなってしまいます。

一方、商標登録を受ける際に、商標の識別力がその使用に基づき獲得されたと認められるためには、出願に係る商標と実際に使用される商標との間に厳密な同一性が必要とされます。しかし、立体商標においては商品の外観の変化はそのまま商標の変化となってしまい、この同一性が損なわれてしまうのです。

これが商品と一体化した立体商標の登録が難しい一因です。自動車やバイクは数ある商品の中でも特に流行に左右されやすいもので、定期的にモデルチェンジが行われていますが、商標の立場からいえば、これはせっかく積み上げた信頼を自ら放棄しているということになるのです。

今回の「スーパーカブ」の登録は、商品が流行に左右されにくい業務用の車両であることが奏功したと言えるでしょう。

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